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| 株式会社日本飛行船:代表者メッセージ |
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「大型硬式飛行船とリストレーションの技術」
―資源大量浪費型工業文明から自然環境調和型技術文明への転換― |
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新しい技術としてのリストレーション |
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わたくしたちは、飛行船活用の最終目標に、「豪華飛行客船」を現代のテクノロジーで復活させることをかかげている。もしヒンデンブルク号クラスの硬式飛行船を、現代の素材とテクノロジーを組み合わせて再建造したら、当時とは比較にならない程安全で高性能な大型飛行客船ができるはずである。高分子化学がもたらした炭素繊維や合成繊維、最先端の軽合金など、軽量・強靭な材料を用い、コンピューターで精度の高い強度計算を行って、最新の航法・気象・通信システムを搭載できる。また、既存の小型高性能のディーゼルエンジンや航空機用ガソリンエンジンにとどまらず、将来的にはハイブリッド・システムや太陽電池、燃料電池を組み合わせることにより、究極的には無公害な航空機とすることも可能である。
1930年代の技術では、大型の船体に見合う船体の強度や推進力を充分得られないことにも問題があったが、現代の技術・素材・エンジンを合理的に組み合わせれば、こうした問題を解決できるのではないだろうか。しかも日本的ないわばゼロ戦型技術が得意とする、無駄のない精緻な合理的設計とそのアセンブリ(組み合わせ)技術により、世界をリードする新型LTA(Lighter-Than-Air)航空機の開発・建造も決して夢ではない。今後日本の航空機開発がどのような方向をたどろうと、欧米先進国の後塵を拝することなく独自分野で互角に渡りあってゆける新分野の開拓を考えるならば、この飛行船開発は無視し得ない。
また日本各地の造船会社の工場敷地や工場上屋やドライドックなど既存設備の中には、少し改造するだけで大型硬式飛行船の開発・建造に活用可能な施設がある。もともと明治33年(1900年)7月にツェッペリン伯爵が第一号のLZ-1硬式飛行船を飛ばしたのは、ボーデン湖上に浮かぶ水上格納庫から引き出して水面からだった。また上述の通り、アメリカ海軍飛行船隊は専用の飛行船母艦パトカや航空母艦や駆逐艦などから洋上補給を受け、第二次大戦中対潜哨戒や船団護衛など主に大西洋方面で活躍し、終戦時は168隻を保有していた。米海軍の飛行船が哨戒飛行した海域は、約1千万平方キロに亙り、護衛した艦船は8万9千隻以上にのぼった。
現代でも不審船・小型潜航艇の洋上哨戒や密入国・密輸の監視などに、飛行船の持つ長時間の滞空性能と長大な航続距離、そして低空での連続低速追尾性能を十分活用できる。そして長大な滑走路が不要な飛行船には、陸上に限らず将来的に浮体構造の飛行船水上基地やウォーターフロント周辺も含め、我国の国土を活かした湖面や海面、洋上を利用した運用可能性も研究すべきである。
さて筆者は1990〜2002年の12年間、日本の外洋クルーズ客船の乗組員として3回の世界一周航海を含め全世界を航海してきたが、これから最もお金を使って戴かなければいけないシルバー世代の方々にとっての外国旅行は体力的にもいろいろな要件があることを実感してきた。客船での世界一周の船客は平均年齢65〜67歳くらいであるが、日本からアメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアのどこに行くにもジェット機に十数時間乗らねばならないのが体力的にしんどいので客船に乗ったという方々が少なからずおられた。もちろんクルーズ客船の旅は船内での食事やエンターテイメント、各寄港地での上陸観光など魅力一杯でありそれを楽しみに乗船される方が主体である。しかし、一方でもっと身体が楽な空の旅があったらという思いは若い世代でも抱いているのである。
もし現代の技術と素材でリストレーションしたヒンデンブルク号クラスの飛行客船があれば、現在クルーズ客船で盛んな3ヶ月間世界一周が、3週間程度でも実施可能となり、客船同様ダイニングで食事を楽しみ、ラウンジでくつろぎながら、夜は自分の船室でベッドに眠り、眼下の大パノラマを堪能しつつ、各寄港地での上陸観光を楽しめるのである。実は大西洋上を航海中、乗船中の世界一周船客をお相手に「飛行船講座」をやった際、最後にもしヒンデンブルク号クラスの飛行客船ができたら乗ってみたい方は手を挙げてくださいと申し上げたところ、300名のお客様全員が真剣に熱意を持って手を挙げてくださった。この12年間に何万人もの船客と洋上で接してきた実体験から、現在完備された統計調査資料はなくとも、筆者はこのマーケットは確実に存在していることを知っている。
従来の技術開発はどうしても史上初めての新技術にしか注目せずまた評価しない傾向や気分があるのではないかと感じるが、利用者側の観点に立てば全くの新技術よりもむしろ実績のある過去の実物を、現代の技術と素材を駆使して再興(リストレーション)し、新しい経済的付加価値をつけて甦らせることにもっと目を向けて良いのではないかと考える。飛行船の自然のガス浮力の利用のみならず、こうした観点からの風力・潮力・地熱や太陽光エネルギーなど自然力利用の技術をもっと高く評価し、新技術開発と製品化に努力し、実際の産業社会で活用してゆくことこそ21世紀に生きる企業人の使命ではなかろうか。
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「人間は自然を制御しうるが、ただしそれは自然に従った場合のみである。」
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――― フランシス・ベーコン
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