日本飛行船/Nippon Airship Corporation

あなたの街に舞い降りる夢の船。(株)日本飛行船は、ツェッペリンNTの運用を通じて、夢とゆとりのある社会の創造を目指します。
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株式会社日本飛行船:代表者メッセージ
「大型硬式飛行船とリストレーションの技術」
―資源大量浪費型工業文明から自然環境調和型技術文明への転換―


ツェッペリンNTの復活と新事業分野

 ところが1993年ツェッペリン飛行船技術会社が復活、新型準硬式飛行船ツェッペリンNT(ニューテクノロジー)の開発に着手し、21世紀を迎えた2001年8月から商業観光遊覧飛行を開始した。2007年4月時点で既に6万人の遊覧飛行客を無事故で乗せ、先行き1万人の予約客を抱えている。この飛行船は内部にカーボンファイバー製の骨組み構造を持ち、可動チルト式の200馬力の航空用エンジン(ライカミングIO-360)とプロペラを船体中央部に2基、船尾部に1基の計3基を装備、新素材の合成繊維で軽量強靭なエンベロープ(外皮膜)を構成している。

 従来の軟式飛行船は、地上に降りてしまえば自己制御能力はほとんどなく、15名程度のグランドクルーが人力でもってマストまでの飛行船の移動を行ってきたが、このツェッペリンNTは自力で地上での運用制御が可能となり、3名程度のグランドクルーの誘導作業でマスト係留が可能となった。この意味で画期的な飛行船運用技術の未来を拓いたといえるのだ。旧来の飛行船が開発された1920〜30年代当時はあまり問題にならなかった人件費が、現在は大きな要素になっていることを鑑みれば、離着陸・係留システムの省力化は来るべくして来た技術革新であり、この分野はおそらくさらなる自動化・省力化が追求可能である。そして今後この地上支援システムの高度化こそ、運用風速限界などを改善し課題である飛行船の定時運航性能を向上させる鍵でもある。

 もっともツェッペリンNTは通常、風速毎秒12.5mくらいまでは運用可能であり、これは実はヘリコプターや小型飛行機の運用とほとんど大差がない。既存の軟式飛行船でも毎秒10mくらいまでは運用しており、年間飛行時間は1千時間に達している。ヘリや小型飛行機は通常年間数百時間しか飛ばないことを鑑みれば、現用の飛行船でもかなりの運用実績があることは一般的には知られていない。

 しかしさしものツェッペリン社といえども、60数年振りに建造を再開した第一号は、全長75mで乗員2名乗客12名、最高時速125キロ/時で航続距離は900キロ(増槽装備で2000キロ)と、硬式飛行船としては小振りのものであり、かつての全長245m、航続距離1万8千キロで100名乗りのヒンデンブルク級にはまだまだ及ばない。こうしたことから同社は将来の後継新型飛行船として40名乗りや85名乗りの大型化計画を持っている。
 さて、このツェッペリンNTの登場を契機とし、あらためて今後の飛行船事業分野を概観すると次のようになる。

(1)広告媒体 (2)資源探査・気象観測・航空測量 (3)公害・環境調査 (4)警備・パトロール・救助活動 (5)コミューター (6)災害救助・通信中継 (7)貨物輸送 (8)観光遊覧飛行 (9)飛行客船によるクルーズ

 飛行船は、単位燃料消費量当りの輸送能力と速度で考えると、船舶と飛行機の中間に位置させることが可能である。すなわち船よりは早く、飛行機よりは多く運べるという特性を持ちうる。しかも長時間の滞空性能はもとより、低速性がむしろ有利となるような航空観測・測量・中継作業もある。筆者は国際的な輸送システムという観点からは、船と飛行機の中間に空白の事業領域が眠っていると考えている。例えば、太平洋を横断するのに、ジェット機が半日、船舶が10日、これに対して飛行船は3日である。しかも長大な航続距離と実用的速度を活かし、内陸の一拠点まで直接輸送することも可能である。

 飛行船はアルキメデスの原理により、ヘリウムなど浮揚ガスの自然な力でかなりの静的浮力を得て空を飛ぶことができ、燃料消費は前進力のみにかなりを振り向けられるので、少ない化石燃料消費で渡洋可能な実用的航空機である。騒音や排気ガスも少なく、つまり環境に負担が少ない自然環境調和型技術の象徴的存在であり、この意味で21世紀型新産業の旗手たりうるのである。また、経済的にも運航費に占める燃料費を逓減させることから、総体的に運航コストを下げることが可能であり、今後地上離着陸支援システムの開発を行えば、これから日本各地に出来上がってくる地方空港を活用した地方間コミューターとしての事業展開も十分考えられるのである。

 特に地震国である我国では、大震災に備え飛行船により、長時間の滞空性能(最長24時間連続可)を活かし、被災地上空からのライブ映像の送信や情報ステーションとして地上の災害対策本部と連動、人命救助に役立てることができよう。また携帯電話の臨時中継機器を飛行船に乗せて被災地上空に長時間滞空させることで、携帯電話の中継局倒壊や利用集中による不通状態を改善・復旧させ、閉じ込められている人命の救助に寄与することも考えられる。平常時でも交通状況監視や、火災発生時、犯罪発生時などの公共協力飛行も視座に入れ、飛行船運用を促進してゆくメリットは大きい。

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